俳句ユネスコ無形文化遺産登録推進協議会

支援の声

さだまさし様より俳句ユネスコ応援メッセージ

さだまさし

さだまさしです。
私たちの文化である俳句をユネスコの無形文化遺産に登録しようではないかという動きがあるというお話を承りました。一緒に応援しろというふうに言われまして、こうして出張って参りました。
私は俳人でもありません。ただの歌づくり・歌うたいでございますが、俳句はとっても好きで尊敬しております。
私の本当に恩人でもあり師匠のような存在でもあった山本健吉先生は、俳句の凄みについて、「時間性の抹殺」というかなり攻撃的な言葉をお使いになっておられます。
「時間性の抹殺」というとちょっと大げさですけれども、時間性を超越することによって俳句の一つの文学としての大きな価値が表れているなとつくづく思います。
また山本健吉先生のご本を読んでおりますと、和歌というのは煩悩を詠うものであると、一方それに比べて俳句は悟りを詠うんだと、このような表現もしておられますね。
まさに優れた俳句を読みますと、実に時間性を超越し、また煩悩を超越し、何かささやかでも小さな小さな悟りというものが輝きをもって詠われているという気がします。
まさにこれは、日本人独特の文化の結晶ではないかと思います。
俳句がユネスコ無形文化遺産に登録されますよう、僕も一生懸命祈っております。
歌うたいですが、俳句の心を大切にしながら、時間性を超越し、どこかで悟りを歌っていきたいと思っています。