俳句ユネスコ無形文化遺産登録推進協議会

会長挨拶

会長 能村研三(俳人協会理事長)

この度「俳句ユネスコ無形文化遺産登録推進協議会」の二代目の会長に就任させていただきました能村研三でございます。

前会長の有馬朗人先生におかれましては、今から5年前の2016年7月に伊賀市岡本栄市長と共に発起人会を立ち上げられ、翌年の4月に設立総会を開催し正式に推進活動がスタートいたしました。

有馬先生がこの活動の正念場と思われる昨年12月に志半ばで急逝されたことは本当に悔やまれてなりません。

俳句を無形文化遺産にしたいという有馬先生のお考えは、五・七・五という世界で一番短い詩形であること、俳句は自然と共生する文学として自然を大切にする心が養われること、さらには子供から100歳に至るお年寄りまで、幅広い人たちと創作及び鑑賞が共有できることを挙げられておられました。

このお考えのもとにさらなる推進活動を展開していかなければなりませんが、俳句を取り巻く環境は決して順風満帆な状況にあるとは言えません。

俳句にも高齢化や人口減少の傾向が影響を与えているとも思われます。私たちの活動を通して多くの方々に俳句の魅力を知っていただき、ことに若い人たちが俳句の面白さを知っていただきたいと思います。

俳句は身分や職業や年齢差に左右されず、句会という一つの土俵の中で、参加する人が皆平等の立場で創作活動を行うことが出来ます。

俳句という文化遺産を先人からしっかりと受け継ぎ、時代にあった新しい風を俳句に吹きこんでいかなければなりません。

有馬先生のご遺志である「俳句のユネスコ無形文化遺産登録」はのこされた私たちが必ず実現させなければならないことで、先生の墓前に報告できる日が来ることを願っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

2021年1月

俳句ユネスコ無形文化遺産登録推進協議会
会長 能村研三(俳人協会理事長)