ユネスコ「無形文化遺産」とは
- 遺跡や建物などの不動産が対象の世界文化遺産と違い、人から人へと継承される芸能や祭り、伝統工芸などが対象です。
(注)「無形文化遺産」には、英日とも“世界/World”という言葉は付きません。
(○ユネスコ無形文化遺産 ×ユネスコ世界無形文化遺産) - 文化遺産とは、遺跡や建造物のようないわゆる有形の文化遺産のみを指す概念ではありません。伝統的な音楽、舞踊、演劇、工芸技術といった無形の文化も、有形の文化遺産と同様にその国の歴史、文化、生活風習と密接に結びついた重要な文化遺産です。…英日とも、外務省の「無形文化遺産の保護に関する条約」についての解説より
通称「ユネスコ世界遺産」のカテゴリーについて
- 「世界遺産(有形)」リスト
- 「世界文化遺産」
・ 日本の登録16件(1993~2016) - 「世界自然遺産」
・ 日本の登録4 件(1993~2011) - 「世界複合遺産」
・ 日本の登録なし。 - 「負の遺産*」
・ 世界中で19件。日本では唯一「原爆ドーム」(広島平和記念碑)が登録されている。日本の登録16件に含まれている。
* 仮訳。ユネスコの公式分類ではない。 - 「危機遺産」
- 「世界文化遺産」
- 「無形・可動遺産」リスト
- 「無形文化遺産」
今回「俳句」の登録を目指して活動が始まった「世界遺産」のリスト。日本の登録件数は下記。 - 「世界の記憶」
世界で268件登録されているうち、日本が申請して登録されたのは6件。なお、中国が2015年に登録した「南京虐殺」は、日本側の抗議を受けてユネスコは調製中。また、中国は現在「慰安婦に関する資料」の登録も目指しているが、ユネスコは日本との協議が必要としている。
(注) 当初は、Documentary Heritage(世界記憶遺産)と呼ばれていたが、現在は、Memory of the
World(世界の記憶)に変更され、 “Heritage/遺産” がつかなくなった。
- 「無形文化遺産」
日本の「無形文化遺産」(外務省資料より)日本の登録22件(2008~2014)
- [2008]
- 能楽
- 人形浄瑠璃文楽
- 歌舞伎
- [2009]
- 雅楽
- 小千谷縮・越後上布
- 石州半紙*
* 2014年に「和紙:日本の手漉和紙技術」として拡張記載された。 - 日立風流物(茨城)
- 京都祇園祭の山鉾行事(京都)
- 甑島のトシドン(鹿児島)
- 奥能登のあえのこと(石川)
- 早池峰神楽(岩手)
- 秋保の田植踊(宮城)
- チャッキラコ(神奈川)
- 大日堂舞楽(秋田)
- 題目立(奈良)
- アイヌ古式舞踊(北海道)
- [2010]
- 組踊
- 結城紬
- [2011]
- 壬生の花田植(広島)
- 佐陀神能(島根)
- [2012]
- 那智の田楽(和歌山)
- [2013]
- 和食;日本人の伝統的な食文化-正月を例として-
- [2014]
- 和紙:日本の手漉和紙技術
(注) 2009年登録の石州半紙が2014年に「◎和紙:日本の手漉和紙技術」として拡張登録されているため,日本全体の登録件数は22件。
- 和紙:日本の手漉和紙技術
2017.7.1現在。文責:松本彰二(国際俳句交流協会会員)